Premiere ProもcinemaOSも、タイムライン上で映像と音を編集するソフトですが、設計の考え方が違います。Premiereは大きなスイートの中心にある編集アプリで、モーショングラフィックス、音声の修復、デザインは兄弟アプリに任せます。cinemaOSは、編集、仕上げ、公開用のグラフィックを、Mac上の1つのローカルプロジェクトにまとめます。このページでは、作業ごとに両者を並べ、Premiereのほうが向いている場面もはっきり書きます。
それぞれに向いている人
Premiere Proは、すでにAdobeを中心に仕事が回っている編集者に向いています。Premiereのプロジェクトをやり取りする代理店や放送局、WindowsやMacとWindowsが混在する環境のチーム、毎日After Effectsにショットを送る人などです。トレーニング、テンプレート、プラグインの市場が大きく、Premiereを前提にしているクライアントも多くいます。
cinemaOSは、Apple silicon搭載Macで、自分の作品を最後まで仕上げる編集者に向いています。短編映画、ドキュメンタリー、企業のブランド映像、チャンネル用の動画など、同じ人が編集、グレーディング、ミックス、字幕、ポスター作りまでこなす仕事です。まだ若いソフトウェア(バージョン0.2、Build 9)なので、機能一覧ではなく、無料体験の期間に実際のプロジェクトで判断してください。
項目ごとの比較
編集
- cinemaOS
- Sequencerで、映像と音のマルチトラック編集ができます。レーザー、リップル、ロール、スリップ、スライド、トランジション、調整レイヤー、編集できるまま残るライブタイトル、文字起こしとテキストベースの編集を備えています。Momentum Dialとコマンドパレットで、よく使う操作をカーソルのそばで実行できます。
- Premiere Pro
- 成熟し、広く教えられているタイムラインです。キーボードを細かくカスタマイズでき、マルチカメラ、チームプロジェクト、テンプレートや拡張機能の大きなエコシステムがあります。
カラー
- cinemaOS
- Finisherに、Color Engine、参照スチルから色を合わせるShot Match、LUTを3Dキューブで表示してきれいな.cubeファイルを書き出すLUT Labがあります。
- Premiere Pro
- Lumetriカラーパネルで、編集の中で日常的な補正やルックの作成ができます。本格的なグレーディングは、専用のグレーディングアプリに移ることが多くなります。
サウンド
- cinemaOS
- Sound modeを開くと、ダイアログ、音楽、効果音、環境音のバスとラウドネスメーターを備えたSOUNDコンソールが使えます。Spatial Theatricsでは、トラックを3Dシアター内のオブジェクトとして配置し、ステレオとヘッドホンでシーンのラウドネスを確認できます。
- Premiere Pro
- 編集の中でしっかりしたトラックミックスとエッセンシャルサウンドパネルが使えます。より深い修復やミックスはAdobe Auditionで行います。
デザインと写真
- cinemaOS
- Atelierで、ポスターのレイアウト、スチルの現像、別レイヤーへの光のペイント、キーフレームでのタイトルアニメーションができ、ブランドキットをあらゆるポスターサイズに適用できます。
- Premiere Pro
- 編集の中でタイトルとグラフィックテンプレートが使えます。ポスター、写真の作業、複雑なモーションは、Photoshop、Illustrator、After Effectsに渡します。
AI
- cinemaOS
- J.A.R.E.D.はMac上で動くアシスタントです。文字起こし、字幕、翻訳はオフラインで動き、購入や管理が必要な生成クレジットはありません。
- Premiere Pro
- 音声のテキスト化、キャプション、音声のクリーンアップに加え、生成クレジットを消費することがあるAdobeの生成機能があります。最新のプランの詳細はAdobeで確認してください。
料金体系
- cinemaOS
- カード登録なし、自動課金なしの60日間無料体験のあと、月額9.99 USD(VAT別)です。Teamsは2席から50席まで、1席あたり月額8.99 USDです。
- Premiere Pro
- Creative Cloudのサブスクリプションで、単体プランか、より大きなプランの一部として契約します。最新の価格はAdobeで確認してください。
対応OS
- cinemaOS
- Apple silicon向けのMacネイティブアプリです。Windows版は2027年11月に予定しています。
- Premiere Pro
- MacとWindows。
データ交換
- cinemaOS
- XMLやEDLのカットをコンフォームレポート付きで読み込み、XMLやEDLでカットを送り返せます。.prprojファイルを直接開くことはできません。
- Premiere Pro
- XML、EDLなどの形式で書き出しと読み込みができ、自分の.prprojプロジェクトはそのまま開けます。
Premiere Proのほうが向いている場面
- Dynamic LinkでAfter Effectsにショットを送り、タイムライン上で更新される必要がある。
- クライアント、代理店、放送局が.prprojのプロジェクトでやり取りすることを前提にしている。
- チームの一部がWindowsで作業している、または自分がPCで編集している。
- 特定のPremiereの拡張機能やテンプレート、共有のCreative Cloudライブラリに頼っている。
- 編集チームでリアルタイムにプロジェクトを共有する必要がある。
どれも小さなことではありません。2つ以上が自分の仕事に当てはまるなら、Premiereを本拠地にして、cinemaOSはその周りの仕上げ作業に使うほうがよいでしょう。
プロジェクトを移す方法
一度にすべてを切り替える必要はありません。Premiereで、完成したシーケンスをFinal Cut Pro XMLまたはEDLで書き出します。cinemaOSでHOMEを開き、Import a cutを選んでそのファイルを指定します。cinemaOSは編集の情報からシーケンスを組み直し、引き継げなかったものを一覧にしたコンフォームレポートを書き出します。
カット、クリップの順番、トラックの構成、タイミングは引き継がれると考えてください。エフェクト、スタイルを付けたタイトル、プラグインのチェーンは作り直しが必要になります。これはどの編集ソフト間の移行でも同じです。仕上げが終わったら、cinemaOSからXMLかEDLでカットを送り返せば、クライアントはPremiereで開き直せます。チュートリアルカットを持ち込み、送り返すでは、この一連の流れを約1分で紹介しています。各形式で何が残るかは、ガイドPremiere・Resolve・Final Cut間の移行方法で説明しています。
よくある質問
cinemaOSでPremiere Proのプロジェクトを開けますか?
直接は開けません。cinemaOSは.prprojファイルを開けません。PremiereからシーケンスをXMLかEDLで書き出し、そのカットをcinemaOSに読み込んでください。確認が必要な点はコンフォームレポートに表示されます。
cinemaOSはAfter Effectsの代わりになりますか?
なりません。ライブタイトルとAtelierのキーフレームを使ったVideo Compositionで、公開用のタイトルやシンプルなモーションは作れますが、cinemaOSはコンポジットや複雑なモーションデザインにおけるAfter Effectsの完全な代わりではありません。
cinemaOSはWindowsで動きますか?
まだ動きません。現在はMacネイティブで、Apple siliconが必要です。Windows版は2027年11月に予定しています。