Premiere Proのプロジェクトが開かない:破損した.prprojの対処
Premiere Proのプロジェクトが開かないときの復旧手順。ファイルの複製、自動保存の場所、新規プロジェクトへの読み込み、保険としてのXML書き出しまで順に解説。
Premiere Proのプロジェクトが開かないときは、まず .prproj ファイルとそのフォルダを安全な場所にコピーし、何も上書き保存しないでください。そのうえで次の順に試します。プロジェクトが新しいバージョンのPremiereで保存されていないかを確認し、Auto-Saveフォルダ内の最新ファイルを開き、それでもメインのファイルが開かなければ、空の新規プロジェクトを作って壊れたプロジェクトを読み込みます。どれか1つでも開いたら、重要なシーケンスをすぐにXMLで書き出しましょう。Premiereは一定間隔で自動保存しているので、最後に正常に保存した時点から自動保存1回分の間隔以内の状態まで戻せることも少なくありません。
以下の手順は、影響の小さいものから大きいものの順に並べています。どれもコピーに対して行うため、何を試しても状況が悪化することはありません。
何かに触れる前に:コピーを作る
開かないプロジェクトは、いわば証拠品です。そのつもりで扱いましょう。
- プロジェクトフォルダ全体を別のドライブに複製します。
.prproj、Auto-Saveフォルダ、リンクしているメディアフォルダもすべて含めてください。 - 同期サービスに上書きさせないでください。 プロジェクトがDropbox、iCloud Drive、Google Driveなどの同期サービス上にあるなら、同期を一時停止します。同期が途中のファイルがローカルのコピーを置き換えることがあり、サービスによってはダウンロードされるまでファイルをオンライン専用のプレースホルダとして保持しています。
- Finderでファイルサイズを確認します。
.prprojが0バイトだったり、以前よりはるかに小さくなっていたりする場合、ほぼ確実に保存が途中で中断されています。そのファイルが元に戻る見込みは低いので、Auto-Saveの手順に進んでください。
ここから先は、コピーだけを使って作業します。
ステップ1:単純な原因を除外する
よくある問題の中には、破損のように見えて実はそうではないものがいくつもあります。Premiereがよく表示するのは、プロジェクトが破損しているか古い要素を含んでいる可能性があるという趣旨のメッセージですが、これはファイルの破損とはまったく関係のない原因でも表示されることがあります。
バージョンの不一致
Premiereのプロジェクトには下位互換性がありません。新しいバージョンで保存したプロジェクトは古いバージョンでは開けません。バージョンによっては、Premiereがそのことをはっきり表示する場合もあれば、本当に破損しているときと同じ一般的なメッセージを表示する場合もあるので、最後にどのバージョンで保存されたかを確認してください。2台のMacで作業しているときや、共同作業者が先にアップデートしたときによく起こります。対処法は、新しいバージョンで開くか、保存した人にXMLを書き出してもらうことです(ステップ5を参照)。
展開した .prproj の中のバージョン番号を書き換えて、古いリリースで無理やり開く編集者もいます。これはサポート外の、ユーザーの間で広まった回避策です。試す場合はコピーだけで行い、一部が引き継がれないことを覚悟してください。
ドライブやパスの問題
プロジェクトが外付けドライブやネットワーク共有にあり、その接続が切れていたり、名前が変わっていたり、読み出し専用でマウントされていたりすると、Premiereが開けない、または保存できないことがあります。プロジェクトを内蔵ドライブにコピーしてもう一度試してください。
残ったロックファイル
PreferencesまたはSettingsのCollaborationセクションでプロジェクトのロックを有効にしていると、Premiereはプロジェクトを開いている間、その隣に小さな .prlock ファイルを書き込みます。クラッシュの後にこのファイルが残ると、プロジェクトが読み取り専用で開いたり、使用中だと表示されたりすることがあります。ほかの誰もプロジェクトを開いていないことを確かめてから、古いロックファイルをフォルダの外に移動して、もう一度試してください。
メディアが見つからないのは破損ではない
オフラインのメディアがあっても、プロジェクトは開きます。Premiereはプロジェクトを開いたうえで、ファイルの場所を指定するよう求めてきます。メディアのリンクを求めるダイアログが表示されたなら、プロジェクト自体は無事です。
環境設定とキャッシュ
環境設定ファイルが壊れていたり、メディアキャッシュが肥大化していたりすると、プロジェクトの読み込み中にPremiereが固まることがあります。Adobeのドキュメントでは、MacでOptionキーを押しながらPremiereを起動すると環境設定をリセットできると説明されています。メディアキャッシュはPreferences(最近のバージョンではSettings)のMedia Cacheセクションから削除できます。プラグインやGPUの設定も疑わしい場合は、MacでPremiere Proが落ちる原因と対処法で順に確認できます。
ステップ2:Auto-Saveフォルダを探す
Premiereは作業中、一定間隔でプロジェクトのコピーを書き出しています。初期設定では Adobe Premiere Pro Auto-Save というフォルダに保存され、場所はたいていプロジェクトファイルの隣か、プロジェクトのフォルダの中です。自動保存の間隔、保持するバージョン数、Creative Cloudにもバックアッププロジェクトを保存するオプションは、PreferencesまたはSettingsのAuto Saveセクションで設定します。フォルダ自体の場所は、プロジェクトごとにProject SettingsのScratch Disksで変更できます。自分の環境でどこに保存されているかわからなければ、そこを確認するか、Finderで「Auto-Save」を検索してください。
自動保存ファイルはそれぞれが完全な .prproj で、名前に日付と時刻が入っています。
- 変更日で並べ替え、新しいものからいくつかを安全な場所にコピーします。
- 最新のものを開きます。 それも開かなければ、1つずつさかのぼります。最新の自動保存は、失敗した保存と同じタイミングで書き込まれた可能性があります。
- 最初に開けたファイルのタイムスタンプを控えます。 やり直す作業がどのくらいあるかの目安になります。
見落としがちな場所も2つ確認しましょう。プロジェクトフォルダの1時間ごとのコピーが残っている可能性があるTime Machineと、プロジェクトをクラウド同期サービスに保存していた場合はそのバージョン履歴です。
ステップ3:新規プロジェクトとして開く
メインのファイルも自動保存ファイルもダブルクリックで開かないなら、問題は編集内容ではなくプロジェクト単位の設定にあるのかもしれません。古いプロジェクトを新しいプロジェクトに読み込むと、これを回避できることがよくあります。
- 空の新規プロジェクトを作成し、新しいフォルダに新しい名前で保存します。
- File > Import を選び、壊れた
.prproj(または自動保存ファイルのコピー)を選択します。 - 読み込む内容を選びます。 Premiereでは、プロジェクト全体を読み込むか、選択したシーケンスだけを読み込むかを選べます。全体で失敗する場合は、シーケンスを1つずつ読み込んでみてください。壊れたシーケンスやクリップが1つあるだけで、ほかのすべてが読み込めなくなることがあります。
- 何か1つでも読み込めたら、すぐに保存します。 はっきり新しいとわかるファイル名を付けてください。
Media Browserパネルでもプロジェクトファイルの中身を表示できます。すべてを開かずに1つのシーケンスだけを取り出したいときに便利です。
それでもすべてのシーケンスで読み込みに失敗する場合は、より古い自動保存ファイルで同じ手順を試します。フォルダ内のどのファイルも開かないときは、ファイルのコピーを添えてAdobeのサポートに問い合わせるのが妥当な次の一手です。サードパーティの復旧サービスもありますが、結果はまちまちで、クライアントの素材を誰かに送ることには慎重になるべきです。
ステップ4:何が壊しているのかを突き止める
どれかのバージョンが開いたら、元のファイルがなぜ開かなかったのかを知っておく価値があります。そうしないと、また同じことが起こるかもしれません。
- パターンを探します。 特定のエフェクト、サードパーティ製プラグイン、フォント、特定のメディアファイルを追加したあとに壊れていませんか。破損した素材や特殊な素材が原因になることもあり、可変フレームレートのスマートフォン映像や画面収録は真っ先に確認する価値があります。
- 最近追加したプラグインを無効にして、元のファイルが開くかを確かめます。
- 重いタイムラインは作り直します。 復旧したプロジェクト内で、中身を新しいシーケンスにコピーしてください。
ステップ5:保険としてXMLを書き出す
次に同じことが起きたときにあなたを守るのが、このステップです。シーケンスが開いたらすぐに書き出しましょう。シーケンスを選択し、File > Export > Final Cut Pro XML を選びます。大事なシーケンスすべてについてこれを行い、書き出したファイルは自動保存ファイルの近くに置いておきます。
XMLは、カットの内容をプレーンテキストで記述したものです。クリップ、イン点とアウト点、トラック、基本的なトランジション、多くのエフェクトパラメーターが含まれます。プロジェクトの完全なコピーではありません。スタイル付きのタイトル、多くのサードパーティ製エフェクト、一部のオーディオエフェクト、Lumetriのカラーグレーディングは、そのままの形では引き継がれないことがあります。それでも、DaVinci Resolveや古いバージョンのPremiereなどほかのソフトで読み込めるので、.prproj がまた壊れたときに編集へ戻るための第二の道になります。どの方向に移すと何が残るのかは、Premiere・Resolve・Final Cut間で編集データを移す方法で解説しています。
次の2つを習慣にすれば、これは日常の作業になります。
- 節目ごとにXMLを書き出します。 たとえば毎日の作業の終わりや、カットをレビューに出す前です。
- 自動保存はプロジェクトとは別のドライブに置きます。 Project SettingsのScratch Disksタブで設定すれば、ドライブが1台故障しても両方を失わずに済みます。
cinemaOSの位置づけ(正直なところ)
Premiereのプロジェクトを救出したいなら、必要なのは上の手順です。cinemaOSは .prproj ファイルの復旧ツールではなく、.prproj を直接開くこともできません。
できるのは、いま書き出したXMLを開くことです。Apple silicon搭載Mac向けの編集ソフトであるcinemaOSでは、HOMEからXMLまたはEDLのカットを読み込みます。コンフォームレポートには、メディアがオンラインかどうかが表示され、注意が必要な箇所にはフラグが付きます。カットをXMLまたはEDLで書き戻す方法も含めて、手順はカットの読み込みチュートリアルで紹介しています。
cinemaOS自身のプロジェクト(.mntm ファイル)はローカルに保存され、この記事で伝えてきたのと同じ教訓をもとに設計されています。復旧機能は標準で組み込まれています。自動保存から復元すると、プロジェクトを上書きするのではなく未保存のコピーとして開き、バージョンスナップショットを使えば以前の状態に戻れます。アプリが固まった場合は、ハングの直後か次回起動時に復旧が提案され、セーフモードで再起動することもできます。アカウントの利用状況が変わっても、プロジェクトを開く、保存する、再リンクすることはできますが、新しい書き出しには有効なアカウントが必要です。限界もはっきりしています。削除されてしまった元素材は復旧では戻せません。cinemaOSは現時点ではMac専用で、After Effectsの代わりにも、Premiereのプロジェクトファイルを中心に組まれたパイプラインの代わりにもなりません。
FAQ
MacでPremiere Proの自動保存ファイルはどこにありますか?
初期設定では Adobe Premiere Pro Auto-Save というフォルダにあり、たいていはプロジェクトファイルの隣か、プロジェクトのフォルダの中です。場所はプロジェクトごとにProject SettingsのScratch Disksで変更でき、保持するバージョン数はPreferencesまたはSettingsのAuto Saveセクションで設定します。Creative Cloudへのバックアップがオンになっていれば、そこにもコピーがある場合があります。
新しいバージョンで保存したPremiereのプロジェクトを古いバージョンで開けますか?
直接は開けません。プロジェクトには下位互換性がないためです。サポートされている方法は、新しいバージョンで開いてFinal Cut Pro XMLを書き出すことです。古いバージョンはそれを読み込めますが、エフェクトやタイトルは一部失われます。
.prprojが0バイトになっています。修復できますか?
たいていはできません。0バイトのファイルは、データが書き込まれる前に保存が中断されたことをほぼ意味します。代わりにAuto-Saveフォルダ、Time Machine、同期サービスのバージョン履歴を当たってください。
戻る道をもう1つ持っておく
まずコピーし、開ける中で最新の自動保存ファイルを開き、まっさらなプロジェクトに読み込んでから、XMLを書き出す。最後のステップを習慣にしておけば、プロジェクトファイルが壊れても、1週間分の作業を失うのではなく、ちょっとした手間で済みます。こうした事態を防ぐための習慣全般については、保存中にフリーズして作業が消えたときのプロジェクト復旧ガイドをご覧ください。ローカルファーストで復旧機能を備えたプロジェクトがどんな使い心地かを試したいなら、cinemaOSにはカード登録不要の60日間無料体験があります。