自分の映像フレームから映画ポスターを作る
カットからスチルを抜き出し、作品を売り込む1フレームを選んでレタッチし、タイトルとビリングブロックを組み、映画祭やSNSのサイズに展開する映画ポスターの作り方。
インディペンデント映画の説得力のあるポスターやキーアートは、作品そのもののフレームから作れます。映画ポスターの作り方の流れはこうです。マスターから高品質なスチルを抜き出し、作品の約束を担う1枚を選び、それを整え、控えめにタイトルとビリングブロックを組み、映画祭やSNSのプラットフォームが求めるあらゆるサイズにデザインを展開する。
フレームを切り出しただけで自動的にポスターになるわけではありません。モーションブラー、圧縮、16:9のために組まれた構図は、どれも不利に働きます。しかし適切なフレームを選び、丁寧に仕上げれば、ストック写真や演出した撮影より強いものになりえます。紛れもなくあなたの作品だからです。どのソフトでも通用するうまいやり方と、そのあとにcinemaOSでのワークフローを紹介します。
できる限りよいスチルを抜き出す
品質は元素材から始まります。
- 手元で最も高品質なバージョンから書き出す。 確認用のファイルやストリーミング用のエンコードではなく、グレーディング済みのマスターかカメラのオリジナル素材から。
- ネイティブの解像度を使う。 4Kのフレームなら、縦長のポスターのために切り抜く余裕があります。1080pのフレームはSNSには使えますが、印刷には厳しいでしょう。
- 1フレームずつ送る。 最高の表情は、最初に目に留まったものから2フレームずれたところにあることがよくあります。顔や手のモーションブラーを確認してください。
- 可逆圧縮のフォーマットで書き出す。 16ビットのTIFFやPNGなら、レタッチで圧縮ノイズが積み重なりません。
- 決める前に、複数のシーンから候補をいくつか抜き出す。
作品を売り込むフレームを選ぶ
ポスターは、体験についての約束です。物語の中で重要なフレームが、サムネイルの大きさで機能するとは限りません。
- はっきりした被写体が1つ。 顔、風景の中の人物、物。ごちゃごちゃしたフレームは小さいサイズで死にます。
- 幅200ピクセルで読める。 候補をすべて、映画祭のカタログの大きさまで縮めてみます。何なのかわからなければ、次へ。
- 文字のための余白。 空、影、壁、床。タイトルと、後でビリングブロックを置くための、すっきりした空間が必要です。
- 縦にできる可能性。 ポスターは縦長です。フレームを縦に切り抜いても成り立つか確認します。
- ジャンルに誠実であること。 日の光の中で撮ったホラー映画でも、キーアートは恐怖を伝える必要があります。トーンについて本当のことを語るフレームか、グレーディングを選んでください。
優れたインディー映画のポスターの多くは、広い空間の中に小さく人物を1人置くか、目を上から3分の1に置いた顔のアップを使っています。どちらも文字のための余白が残り、縮小にも耐えます。
控えめにレタッチする
切り出したフレームには仕上げが必要です。さりげなく行いましょう。加工しすぎた顔に観客は気づきます。
- レベルとコントラスト。 黒と白の点をきれいに決め、印刷に向けて中間調を整えます。印刷では通常、画面より少し強いコントラストが必要です。
- 気が散るものを取り除く。 ブームの影、窓に映ったスタッフ、非常口のサイン。ほとんどは修復とクローンで処理できます。
- ノイズは慎重に減らす。 ある程度の粒子は映画らしさを感じさせます。滑らかにしすぎると、肌がプラスチックのように見えます。
- 必要ならキャンバスを広げる。 縦に切り抜いてヘッドルームが足りないなら、文字を組む前に空や背景を広げます。
- グレーディングの個性を保つ。 ポスターは作品と同じ見た目であるべきです。
タイポグラフィとビリングブロック
タイトルは、グラフィックの主要な判断です。ジャンルに合った書体を選び、サムネイルでも読める大きさにして、計画しておいた余白に置きます。書体ファミリーは1つ、多くても2つまで。
キャッチコピーは任意です。使うなら、短く、小さく。
ビリングブロックは、劇場用ポスターの下部にある凝縮されたクレジットの一覧です。制作会社、主要キャスト、監督、脚本、プロデューサー、主要スタッフを、縦長の細い書体で詰めて組みます。順序や掲載の慣習は契約に書かれていることが多いので、名前と順序を確定する前にプロデューサーかセールスエージェントに確認してください。映画祭への応募なら、インディー映画のポスターはもっと簡単なブロックでも構いませんが、名前と表記は正確にしてください。
ローレルは、映画祭に選ばれたら、タイトルの上か周りに入れます。映画祭の公式のローレル素材を使い、そのルールに従ってください。
cinemaOSのAtelierでポスターを作る
cinemaOSは、デザイン用のワークスペースであるAtelierを備えたMac用の編集・仕上げアプリなので、スチルがプロジェクトの外に出る必要はありません。
スチルを抜き出す。 SequencerかFinisherでそのフレームに止め、Export Still Frame(⇧E)を使います。HOME(⌘⇧H)の Poster タイル(「Key art」)からも同じ流れを始められます。
Photoでレタッチする。 Atelier(⌘3)に切り替えて Photo ルームを開きます。最もよく使うツールは、Crop(C)、Healing Brush(J)、Clone(S)、Mask(Q)、Tone(O)です。Levels は5点でのコントロールができ、背景を別に扱うための「Select the sky」という範囲選択もあります。写真は16ビットで書き出されます。
Layoutで文字を組む。 ポスターそのものは Layout ルームで作ります。ページ、テキスト、ペイントレイヤー、印刷やPDFへの出力。リリース用の Brand キットがあれば適用し、タイトルの書体と色を予告編やSNSの投稿と合わせます。キットの作り方は映画公開のためのブランドキットを全アスペクト比でで説明しています。J.A.R.E.D.(⌘J)に「Headline bigger and bold」のような直接の編集を頼むこともできます。
すべてのサイズに展開する。 Adapt でフォーマットごとにレイアウトを組み直し、Export All Aspects(⌘⌥E)で一式を書き出します。
既存のデザインファイルを使う場合、PSDファイルは現在Atelierでは統合された状態で開くため、編集可能なレイヤーはまだ読み込まれないことに注意してください。
想定しておくべきサイズ
正確な仕様はさまざまなので、映画祭、プラットフォーム、印刷会社にそれぞれ確認してください。
- 劇場用ワンシート。 米国では伝統的に27×40インチで、印刷用の塗り足しが付きます。
- 映画祭応募用のポスター。 通常は、カタログとWebサイト用に指定されたピクセルサイズの縦長画像です。
- SNSの投稿。 1:1と4:5、ストーリーズ用に9:16。
- ストリーミングやプラットフォームのキーアート。 16:9と2:3が多く、文字なしの場合もあります。
- サムネイルでのテスト。 小さいサイズでタイトルが読めるかを確認します。
インディー映画の映画祭納品物チェックリストに、プログラマーが作品と一緒に求めることが多いアートワークをまとめています。
FAQ
切り出したフレームは印刷に十分なシャープさがありますか?
きれいな4Kのフレームなら、小さめの印刷や映画祭での使用には耐えられます。大きな劇場用ワンシートには、専用のスチル写真か、丁寧なアップスケールのほうが安全です。
映画祭用のポスターにビリングブロックは必要ですか?
必ずしも必要ではありませんが、監督と主要キャストを載せた短いクレジットブロックがあると完成度が高く見え、プログラマーの助けにもなります。
ポスターには作品のグレーディングを使うべきですか?
たいていはそうです。印刷のためにコントラストを少し足せば、ポスターが作品らしく感じられます。
今日、最初の案を作る
カットから候補のフレームを5枚抜き出し、それぞれをサムネイルの大きさで試してください。勝者が決まったら、プロジェクトを離れずにcinemaOSでレタッチとレイアウトができます。60日間の無料体験にカード登録は不要です。