Premiere ProとDaVinci Resolve、どちらで編集?
Premiere ProとDaVinci Resolveを公平に比較。編集、カラー、音、安定性の報告、価格モデル、クライアントの期待を見比べ、どちらを選ぶべきかを整理します。
Premiere ProとDaVinci Resolveのどちらを選ぶかについて、短く答えるとこうなります。クライアントや代理店、チームとPremiereのプロジェクトをやり取りしていて、After EffectsをはじめとするCreative Cloudに頼っているならPremiere Proを。カラーが仕事の中で大きな意味を持ち、無料または買い切りで使いたく、より大きなアプリを覚える覚悟があるならDaVinci Resolveを選びましょう。どちらも実際の制作現場で使われているプロ向けの編集ソフトです。どちらが良いかは、個々の機能よりも、誰と仕事をするかで決まります。
これはランキングではなく、公平な一対一の比較です。どちらのアプリも変化が速いので、価格や機能の区分についての記述は出発点と考え、決める前に必ず各社の公式サイトで確認してください。
2つのソフトの成り立ち
2つの製品は出発点が異なり、それが違いの大部分を説明しています。
Premiere Proは、AdobeのCreative Cloudの中心にある編集アプリです。専門的な作業は兄弟アプリに渡します。モーショングラフィックスはDynamic Link経由でAfter Effectsへ、より踏み込んだ音声修復はAuditionへ、静止画のグラフィックはPhotoshopやIllustratorへ。macOSとWindowsで動きます。
DaVinci Resolveはハイエンドのカラーグレーディングシステムから始まり、ポストプロダクション全体を扱うアプリへと広がりました。1つのアプリの中がページで構成されています。Media、Cut、Edit、コンポジット用のFusion、Color、音声用のFairlight、そしてDeliverです。macOS、Windows、Linuxで動きます。
つまり、Premiereは作業を他のアプリへ渡すハブです。Resolveは、作業全体を内側に収めようとする1つの大きなアプリです。
編集
どちらもマルチトラックのタイムライン、トリムツール、マルチカム、プロキシワークフローを備えた本格的なノンリニア編集ソフトです。どちらも文字起こしとテキストからの編集にも対応していますが、Resolveではこれらのツールは有料のStudio版に含まれる機能なので、必要ならBlackmagicの比較表を確認してください。
Premiere Pro には、多くの編集者が最初に覚えた、長く定着した柔軟なタイムラインがあります。パネルのレイアウトはカスタマイズでき、キーボードショートカットは業界で広くなじみがあり、テキストベース編集を使えば文字起こしから言葉を削除するだけでインタビューをカットできます。Productionsは長いプロジェクトを小さなリンクされたプロジェクトに分けるのに役立ち、ドキュメンタリーやシリーズものの作業に向いています。
DaVinci Resolve には2つの編集ページがあります。Cutページはスピードを重視した設計で、コンパクトなインターフェースと、大量のクリップをざっと見るためのソーステープ表示などのツールを備えています。Editページは従来型のトラックベースのタイムラインで、Premiereユーザーが想定するものに近い作りです。BlackmagicはCutページを前提に設計された専用の編集キーボードも販売しています。
PremiereユーザーはたいていEditページをすぐに理解できますが、ページや設定の多さから、単純な編集ではResolveが重く感じられることがあります。その学習曲線と、それを短くする方法はDaVinci Resolveが難しすぎると感じる理由で取り上げています。
編集についての結論:ほぼ互角です。なじみやすさと、編集者とモーションデザイナーの連携ではPremiereが優位です。Resolveも十分に使え、Cutページは慣れれば速く作業できます。
カラー
差がいちばんはっきり出るのがここです。
Premiere Pro はLumetri Colorパネルを使います。基本補正、クリエイティブなルック、カーブ、カラーホイール、HSLセカンダリ、ビネット、それにカラーマネジメントの設定があります。編集の中でショットを補正したり合わせたりするのに向いており、多くのプロジェクトはそれ以上を必要としません。
DaVinci Resolve には、ノードグラフを中心に組み立てられた専用のColorページがあります。プライマリ、カーブ、クオリファイア、トラッキング付きのパワーウィンドウ、スコープ、グレードのバージョン、共有ノード、カラーマネジメント。プロのカラリストに広く使われており、別のソフトで編集してResolveで作業するカラリストにカットを送るのは一般的なワークフローです。
カラーについての結論:グレーディングが納品物の重要な部分なら、はっきりResolveです。補正やシンプルなルックならPremiereで足ります。
音
Premiere Pro には、クリップをダイアログ、ミュージック、効果音、環境音としてタグ付けするEssential Soundパネルがあり、Enhance Speechのようなツールやラウドネスの調整も備えています。細かな修復、スペクトラル編集、より複雑なミックスには、多くの編集者がCreative Cloudのすべてのアプリを含むプランに入っているAuditionに音声を送ります。
DaVinci Resolve にはFairlightがあります。ミキサー、バスのルーティング、オートメーション、ADRツール、ラウドネスメーターを備えた本格的なオーディオページです。アプリを離れずに、かなり完成度の高いミックスができます。一部のAIツールやイマーシブフォーマットなど、いくつかのオーディオ機能はStudio版に限られるので、必要なら機能一覧を確認してください。
音についての結論:Resolveはミックスのより多くの部分を1か所にまとめています。Premiereは日常的なダイアログの作業をしっかりこなし、それ以外はAuditionに頼ります。
安定性についての報告
どちらのアプリにも、クラッシュやフリーズ、開けなくなったプロジェクトを報告するユーザーがいます。きっかけはたいてい、アップデート、GPUドライバーの変更、プラグインの競合、重いLong GOPのメディアです。どちらにも公開された比較可能な安定性のベンチマークはないので、どちらかが単純に「より安定している」と言い切る主張には注意してください。
自分でコントロールできることは、どちらにも共通です。
- プロジェクトの途中でアップデートしない。 始めたバージョンで最後まで仕上げ、新しいリリースはコピーで試しましょう。
- メディアは編集しやすいコーデックにするか、プロキシを使いましょう。特に長いH.264やHEVCのカメラファイルでは重要です。
- プラグインとドライバーに注意する。 クラッシュが始まったとき、古いプラグインやGPUドライバーはよくある原因候補です。
- プロジェクトを別途バックアップする。 Premiereはプロジェクトファイルを保存し、自動保存も行います。Resolveはプロジェクトライブラリのデータベースにプロジェクトを保存するので、プロジェクトアーカイブや.drpファイルを定期的に書き出しましょう。
すでにMacでPremiereのトラブルが起きているなら、Premiere Proがクラッシュし続けるときの対処法をご覧ください。
価格モデル
2つは異なる価格モデルを採っており、数年単位で見ると、月額の数字よりもそちらのほうが重要です。
- Premiere Pro はCreative Cloudのサブスクリプションとして、単体プランまたはすべてのアプリを含むプランの一部として販売されています。プランや条件は地域によって異なり、契約期間や解約の条件も含めて時期によって変わります。最新の情報はAdobeのPremiere Proのページで確認してください。
- DaVinci Resolve には、多くのプロジェクトで編集、カラー、Fusion、Fairlightを使える無料版があります。DaVinci Resolve Studioは買い切りのライセンスで、より高い解像度やフレームレートでの出力、より多くのハードウェアアクセラレーション、ノイズリダクション、多くのAIツールなどの機能が加わります。StudioはBlackmagicの一部のハードウェアにも付属しています。現在の価格と、無料版とStudioの比較はBlackmagic DesignのDaVinci Resolveのページで確認してください。
公平に比べるなら、そのツールを使うつもりの期間の総費用に、乗り換えにかかる時間と、古いプロジェクトを今後も開けるようにするために必要なものを加えて考えましょう。
クライアントの期待
これが決め手になることはよくあり、しかも機能とはまったく関係がありません。
多くの代理店、ブランドチーム、YouTubeチャンネルはPremiereを中心にワークフローを組み、フリーランスとPremiereのプロジェクトファイルをやり取りしています。クライアントからPremiereのプロジェクトを渡される、あるいはPremiereのプロジェクトで戻すことを求められるなら、Premiereがいちばん無理のない道です。
Resolveは仕上げの段階で求められることが多いソフトです。カラリストや一部のポストプロダクションはResolveで作業しており、他の編集者からカットをXML、AAF、EDLで、リファレンス動画と一緒に受け取ることに慣れています。Resolveには、Resolveの中だけで作業するチーム向けに、Blackmagic Cloudを通じた独自の共同作業の仕組みもあります。
2つの間の移行はよくあることですが、何も失わずに済むわけではありません。カット、クリップの構成、基本的なトランジションはたいてい残りますが、エフェクト、スタイル付きのタイトル、プラグインのチェーンはたいてい作り直しが必要です。どのフォーマットで何を運べるかは、Premiere、Resolve、Final Cutの間でカットを移す方法で説明しています。
こんな人にはこちら
Premiere Pro を選ぶべき人:
- クライアントや共同作業者がPremiereのプロジェクトファイルを送ってくる、または求めてくる
- After EffectsとDynamic Linkが毎週の仕事の一部になっている
- すでにCreative Cloudに支払っていて、複数のアプリを使っている
- 依頼するフリーランスにとって最もなじみのある編集環境にしたい
DaVinci Resolve を選ぶべき人:
- カラーグレーディングが納品物の実際の一部になっている
- 無料で始めたい、またはサブスクより買い切りライセンスがいい
- 音のミックスやコンポジットを1つのアプリの中で行いたい
- Linuxで作業している、またはすでにResolveを使っているカラリストと組んでいる
どちらもぴったり合わないなら、小規模なMac向け編集ソフトを知っておく価値もあります。Momentum StudiosのcinemaOSは、Apple silicon向けのMacネイティブな編集ソフトです。編集、参照スチルからのShot Matchを含むカラー、サウンドコンソール、字幕、デザインを1つのローカルプロジェクトにまとめ、オンデバイスのアシスタントを備え、生成クレジットはありません。まだ新しく(バージョン0.2)、現時点ではMac専用で、Windows版は2027年11月に予定されています。Premiereのプロジェクトファイルを直接開くことはできず、After Effectsの代わりにも、グレーディングスイートとしてのResolveの深さの代わりにもなりません。どちらのアプリから書き出したXMLやEDLのカットも読み込むことができ、カットをFCPXMLまたはEDLで戻すこともできます。手順はカットの読み込みチュートリアルで紹介しています。この経路でも、エフェクト、プラグイン、スタイル付きのタイトルは作り直しが必要になると考えてください。
FAQ
DaVinci Resolveは本当に無料ですか?
はい。無料版は編集、カラー、コンポジット、音声を備えた本格的なアプリで、多くの人がこれでプロの仕事を納品しています。DaVinci Resolve Studioは有料の買い切りライセンスで、一部の制作に必要な機能が加わります。自分のフォーマットやツールとBlackmagicの比較表を照らし合わせてください。
DaVinci ResolveでPremiere Proのプロジェクトを開けますか?
標準的で手順もよく文書化されている方法は、Premiereのプロジェクトファイルそのものを開くのではなく、PremiereからXMLやAAFを書き出してResolveに読み込み、メディアを再リンクすることです。より新しい読み込み方法がないかはBlackmagicの最新のリリースノートで確認してください。いずれの方法でも、エフェクト、タイトル、プラグインの作業は作り直しになると考えてください。
初心者にはどちらが簡単ですか?
最初はPremiereの単一の編集ワークスペースのほうがとっつきやすいと感じる初心者が多い一方、Resolveの無料版とCutページから始めるほうを好む人もいます。どちらにもチュートリアルの大きなコミュニティがあります。たいていは、共同作業者がすでに使っているほうが早道です。
後悔しない選び方
デモではなく、短い実際のプロジェクトで両方を試してみてください。カットし、グレーディングし、ミックスし、クライアントが必要とする形で書き出します。どこで行き詰まったか、何を他に任せる必要があったかを書き留めましょう。そのリストは、どんな機能比較表よりも多くを教えてくれます。そして3つ目のMac向けの選択肢も並べて試したいなら、cinemaOSは60日間無料で、カード登録も自動課金もありません。