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よくある問題の解決

Premiere Proで音ズレが起きる原因と直し方

Premiere Proの音ズレを解説。徐々にズレるのか一定量ズレているのかを見分け、可変フレームレート、サンプルレート、キャッシュ、クリップのズレを直します。

Premiere Proで音ズレが起きるとき、原因はたいてい次の4つのどれかです。スマートフォンや画面録画ツールで撮った可変フレームレート(VFR)の素材、クリップとシーケンスのサンプルレートやフレームレートの不一致、メディアキャッシュ内の壊れた音声ファイル、そしてタイムライン上でリンクしたクリップが単純にずれてしまったケースです。いちばん早く見分ける方法は、ズレが一定(どこでも同じ数フレーム)なのか、だんだん大きくなる(最初は合っていて終盤ほどひどい)のかを確かめることです。一定のズレは、たいていクリップのずれか再生時の遅延です。徐々に広がるズレは、可変フレームレートの素材か、カメラと録音機のクロックの食い違いを示しています。

この記事は最近のPremiere Proを前提にしています。バージョンによって設定項目は「環境設定」または「設定」にあるので、説明どおりの場所に見つからない場合は、Premiereのヘルプで検索するかリリースノートを確認してください。

まず確認:徐々にズレるのか、一定のズレか

問題のクリップの冒頭、中盤、終盤に移動し、手拍子やドアの音のようなはっきりした音と映像を見比べます。

  • どこでも同じズレ。 たとえば最初から最後まで音が2フレーム遅れている。クリップのずれ、オーディオハードウェアの遅延、シーケンス設定を確認します。
  • 時間とともにズレが広がる。 冒頭は合っているのに、10分後には0.5秒ずれている。可変フレームレート、サンプルレート変換、別録りの音声を確認します。
  • 再生時だけ。 タイムラインを1フレームずつ見ると合っていて、書き出しも同期しているのに、再生すると違和感がある。これは編集ではなく再生の問題です。
  • 書き出したファイルだけ。 タイムラインは正しく再生されるのに、書き出したファイルがずれている。下の書き出しの節へ進んでください。

スマートフォンや画面録画の可変フレームレート素材

多くのスマートフォン、画面録画ツール、ビデオ通話ツールは可変フレームレートで記録します。フレームの間隔が均等ではないため、30fpsと表示されたクリップでも、ところどころでわずかに速くなったり遅くなったりします。一方、音声は一定のクロックで進みます。固定フレームレートを前提にした編集ソフトは映像フレームを少しずれた位置に置いてしまうことがあり、その誤差がクリップの長さに応じて積み重なります。

Premiereは以前に比べて可変フレームレートの扱いがかなり良くなりましたが、長いクリップでは、特に速度変更、ネスト、細かいトリミングのあとに音ズレが出ることがあります。確認するには、プロジェクトパネルでクリップを選び、右クリックしてプロパティを開きます。最近のバージョンではそこで可変フレームレートが表示されることがあります。表示されない場合は、MediaInfoのようなメディア情報ツールで確認できます。

確実な対処は、編集前に素材を固定フレームレートに変換することです。

  • 固定フレームレートを強制できるツールでトランスコードする。 HandBrakeのような無料ツールには固定フレームレートの設定があります。編集に使うフレームレートを選びます。
  • できればイントラフレームの編集用コーデックを使う。 トランスコードツールが固定フレームレートのProResを書き出せるなら、Macでの再生も軽くなります。
  • 切り直さずに置き換える。 すでに元のファイルで編集している場合は、プロジェクトパネルの「フッテージを置き換え」で既存のクリップを新しい固定フレームレート版に向け直し、もう一度同期を確認します。

サンプルレートとフレームレートの不一致

映像の仕事では多くの場合48kHzの音声を使います。音楽ファイルは44.1kHzのことが多く、録音機によっては96kHzが初期設定です。Premiereは同じシーケンス内で異なるサンプルレートを扱えるので普段は問題ありませんが、特定のファイルだけでズレが出るなら、まず疑ってみる価値があります。

  • シーケンスを確認する。 シーケンス設定で、音声のサンプルレート(映像では48000Hzが一般的)とタイムベースが意図どおりかを確かめます。
  • クリップを確認する。 プロジェクトパネルにはオーディオのサンプルレートやフレームレートの列を表示できます。ほかと違うクリップが容疑者です。
  • 23.976と24の取り違えに注意する。 23.976の素材が24として解釈される(またはその逆)と、映像と実時間で進む音声が少しずつ離れていきます。29.97と30でも同じです。撮影から編集まで、フレームレートを1つに揃えましょう。
  • しつこいファイルは変換する。 特定の音声ファイルだけがずれ続けるなら、オーディオエディターで48kHzのWAVに変換してリンクし直します。

メディアキャッシュを削除する

Premiereは、適合した音声ファイルなどの生成ファイルをメディアキャッシュに保存しています。これらが壊れていたり古かったりすると、クリップの音声タイミングが狂ったりノイズが出たりします。キャッシュを削除すると、Premiereはそれらを作り直します。

  1. プロジェクトを保存して閉じます。
  2. 「設定」または「環境設定」(名称はバージョンによって異なります)を開き、メディアキャッシュを選びます。
  3. メディアキャッシュファイルを削除するオプションを使います。最近のバージョンでは未使用のファイルだけか、すべてのファイルかを選べます。プロジェクトを閉じた状態なら、すべて削除するほうがきれいにリセットできます。
  4. プロジェクトを開き直し、同期を判断する前に、Premiereが音声を再処理するまで少し待ちます。

キャッシュは空き容量のある高速なドライブに置きましょう。容量がいっぱいだったり遅かったりするキャッシュドライブは、音ズレのように感じられる再生トラブルの原因になります。再生全般がカクつく場合は、MacでのPremiere Proの再生のカクつきについてのガイドで残りの対処を扱っています。

すでにずれてしまった編集を直す

編集が終わっていて最初からやり直したくない場合でも、ピンポイントの修正方法がいくつかあります。

リンクしたクリップがずれた場合

リンクした映像と音声がタイムライン上でずれると、Premiereはクリップに小さな赤い数字を表示します。これは何フレームずれているかを示しています。数字を右クリックして、同期のオプションを選びます。「スリップして同期」はクリップのタイムライン上の位置を変えずに、ソースのどの部分を再生するかを変えます。「移動して同期」はクリップそのものを動かします。カット点を残したい位置に保てるほうを選んでください。

予防するには、トリミングのときにリンクされた選択をオンにしておきます。

別録りの音声

カメラのガイド音声と別の録音機の音声を合わせる、いわゆるダブルシステム収録では、Premiereの波形による同期が使えます。ビデオクリップとオーディオクリップを選び、クリップメニューの「同期」または「クリップを統合」を使い、同期ポイントにオーディオを選びます。

冒頭では合うのに長いテイクの最後でずれる場合は、2台の機器のクロックが一致していません。冒頭で同期させてから終盤のズレ量を確かめ、レート調整ツールか「速度・デュレーション」で音声をわずかに伸縮して、両端が合うようにします。

再生時だけずれる場合

タイムラインを1フレームずつ見ても正しく、書き出しも同期しているなら、問題は音の聞き方のほうにあります。

  • Bluetoothのヘッドホンやスピーカーは遅延が加わるため、音が映像より遅れて届きます。有線の出力かMacの内蔵スピーカーで試してください。
  • オーディオハードウェアの設定。 「設定」または「環境設定」のオーディオハードウェアで、正しい出力デバイスが選ばれているかを確かめ、インターフェースが対応していればバッファサイズを変えてみます。
  • フレーム落ち。 映像が追いつかないと、音が先に進んでしまいます。再生解像度を下げるかプロキシを使って、もう一度確認します。

書き出したファイルだけずれる場合

タイムラインは正しく再生されるのに書き出したファイルがずれるなら、書き出し設定と素材そのものを確認します。

  • 書き出しプリセットのフレームレート。 シーケンスと一致しているか確認します。書き出し時のフレームレート変換は、音ズレのように見えるカクつきの原因になります。
  • ここでも可変フレームレートの素材。 タイムライン全体をレンダリングしたときに初めて現れるズレもあります。素材を固定フレームレートに変換すれば、たいてい解決します。
  • 別のプレーヤーでも確認する。 書き出しが悪いと決めつける前に試してください。
  • 先にProResのマスターを書き出す。 納品ファイルはずれるのにProResマスターはずれないなら、マスターから納品ファイルをエンコードします。書き出しエラー全般については、Premiere Proで書き出しに失敗するときのガイドを参照してください。

別の編集ソフトにカットを移す場合

XMLやEDLでカットをアプリ間で受け渡したあとに、音ズレが現れることもあります。交換用のフォーマットが記述するのは編集であってメディアではないため、受け取る側の編集ソフトが自分でリンクし直し、フレームレートとタイムコードを解釈する必要があります。読み込んだシーケンスを、元の編集から書き出した参照用ファイルと冒頭、中盤、終盤で比べてください。

PremiereからシーケンスをXMLまたはEDLで書き出してcinemaOSに読み込むと、読み込み時にコンフォームレポートが作られます。Bring a cut, hand it backチュートリアルでは、メディアがオンラインか、編集が保たれているかといったレポートの読み方を紹介しています。そのあとシーケンスを再生し、冒頭、中盤、終盤の同期を自分の目と耳で確かめてください。cinemaOSは.prprojファイルを直接開けないので、XMLを経由する方法を使います。何が無事に移り、何が移らないことが多いかは、Premiere、Resolve、Final Cut間でカットを移す方法のガイドで解説しています。

FAQ

iPhoneの動画や画面録画がPremiere Proで音ズレするのはなぜですか?

おそらくファイルが可変フレームレートだからです。映像フレームの間隔が均等でない一方、音声は一定のクロックで進むため、長いクリップでは小さなタイミングの誤差が積み重なります。編集前にファイルを固定フレームレートに変換し、プロジェクト内のフッテージを置き換えるのが確実な対処です。

冒頭では合っているのに、終盤で音がずれるのはなぜですか?

ズレが徐々に広がるのは、2つのクロックが食い違っているからです。可変フレームレートの素材、24として解釈された23.976の素材、あるいはカメラとはクロックがわずかに異なる別録りの録音機などが考えられます。時間がたっても変わらない一定のズレは別の問題で、たいていはクリップのずれか再生時の遅延です。

メディアキャッシュを削除すると、プロジェクトや編集内容も消えますか?

消えません。メディアキャッシュに入っているのは、適合した音声やピークファイルなどPremiereが生成するファイルで、必要になれば作り直されます。プロジェクトファイルや元素材には影響しません。先にプロジェクトを閉じておき、最初に開き直すときはPremiereが必要なファイルを再構築するため少し時間がかかると考えておいてください。