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比較

2026年版 Mac向け字幕ソフトのおすすめ

映像制作者向けにMacの字幕ソフトを比較。文字起こし、タイミング調整、EBU-STL・SCC・IMSC1対応、QC、翻訳の観点で選び方を解説します。

Macでおすすめの字幕ソフトは、作業のどの部分を助けてほしいかで変わります。最初の文字起こしを素早く作るだけなら、MacWhisperのようなローカルの文字起こしアプリや、編集ソフトに組み込まれた字幕機能で十分なことがほとんどです。タイミングとスタイルを細かく詰めたいなら、Aegisubのような専用エディターのほうが自由が利きます。EBU-STL、SCC、IMSC1で放送局や配信サービスに納品するなら、Annotation Editのようなプロ向け字幕ツールや、OOONAのようなプラットフォームを使うほうが安全です。編集が変わっていく間も字幕をカットに結び付けておきたいなら、Final Cut Pro、Premiere Pro、DaVinci Resolve、cinemaOSのように字幕機能のしっかりした編集ソフトを使えば、行ったり来たりの手間が省けます。

この記事は、字幕制作会社ではなく、映像制作者や小さなチームに向けて書いています。機能も価格もよく変わるので、決める前に各社の公式サイトを確認してください。

選ぶ前に比べるべきこと

字幕ツールの多くは、スクリーンショットで見ると似ています。違いが出るのは次の5つです。

  • 文字起こし。 Mac上で動くのか、それとも音声をサーバーにアップロードするのか。どの言語に強く、話者を聞き分けられるのか。
  • タイミング。 音声の波形が見えるか、カット点に吸着できるか、字幕と字幕の間に最小の間隔を強制できるか。字幕が気にならなくなるかどうかは、タイミングで決まります。
  • フォーマット対応。 読み込みは書き出しと同じくらい重要です。翻訳者から戻ってくるファイルを読めるか、納品仕様が指定するものを正しいフレームレートでそのまま書き出せるかを確認しましょう。
  • QC。 読む速さ、1行の長さ、行数、重なり、すき間のチェックがあるかを見てください。放送局や配信サービスはそれぞれスタイルガイドを公開していて、数値も異なります。上限を自分で設定できるツールのほうが、ルールが固定されたツールより役に立ちます。
  • 翻訳。 機械翻訳は翻訳者の下書きとして役立ちますが、どの言語も納品前に人のチェックが必要です。特に未公開の作品では、翻訳がローカルで行われるのかクラウドで行われるのかに注意してください。

それぞれのフォーマットの用途がわからない場合は、SRTからIMSC1までの字幕フォーマット解説で、どこが何を求めるのかを説明しています。

編集ソフトの中で作る字幕

編集ソフトの中で作業すると、字幕が映像のすぐ隣にあります。カットがまだ動いているときには、これが大きな意味を持ちます。

Final Cut Pro

Final Cut Proでは、字幕がロールとしてタイムラインに組み込まれていて、最近のバージョンではTranscribe to Captionsが加わりました。クラウドではなくMac上で動作し、Apple silicon搭載のMacと新しいmacOSが必要です。iTT、SRT、CEA-608のキャプションに対応しており、Appleのプラットフォーム、ほとんどのWebプレーヤー、米国式のクローズドキャプションをカバーします。すでにFinal Cutで編集していて、WebやApple向けに納品するなら相性のよい選択です。欧州の放送フォーマットには、別のツールが必要になるでしょう。文字起こしが現在どの言語に対応しているかは、Appleのドキュメントで確認してください。

Premiere Pro

Premiere Proには文字起こし用のSpeech to Textと、いくつかの放送規格をカバーするキャプションのワークフローがあり、最近のバージョンではキャプションの翻訳も加わりました。すでにCreative Cloudで作業していて、Premiereを前提とするチームにプロジェクトを渡すなら手堅い選択です。対応フォーマットは幅広いものの、キャプションの種類によって異なるので、放送納品で頼る前にAdobeの最新ドキュメントを自分の仕様と照らし合わせてください。

DaVinci Resolve

Resolveは無料版でもタイムライン上の字幕トラックを扱えます。SRTファイルを読み込んで字幕を編集し、スタイルを整え、SRTやWebVTTなど一般的なフォーマットで書き出すか、映像に焼き付けることができます。音声からの字幕の自動作成は、無料版ではなくDaVinci Resolve Studioの機能とされてきたので、Blackmagic Designの最新の機能一覧を確認してください。すでにResolveで仕上げをしている編集者に向いています。字幕機能は専門的というより実用的なもので、プロ向け字幕ソフトに比べるとQCは限られます。

cinemaOS

Momentum StudiosのcinemaOSでは、字幕はFinisherルームのLocalizeにあります。Mac上で文字起こしをするので、セリフはどこにもアップロードされません。そのあとテキストを修正し、ローカルで翻訳し、2つの言語を並べて比べ、納品チェックを実行して書き出せます。読み込みと書き出しに対応するフォーマットは、SRT、WebVTT、ASS、SCC(CEA-608)、EBU-STL、Apple iTT、FCPXMLキャプションで、焼き付け字幕も作れます。Sequencerの文字起こしとテキストベース編集も同じローカルの文字起こしを使うので、字幕とカットは1つの元データから生まれます。オフライン字幕のチュートリアルでは、一連の流れを1分足らずで紹介しています。

限界もはっきり書いておきます。IMSC1は現時点でテスト済みフォーマットの一覧に入っていないので、仕様がIMSC1を求めている場合は、そのファイルだけ専用ツールで作ってください。プラットフォームへの適合には、受け取り側の最新の仕様と、人による言語チェックが引き続き必要です。cinemaOSはApple silicon搭載のMac専用(バージョン0.2、Build 9)で、Windows版は2027年11月の予定です。料金は月額9.99米ドル(税別)で、60日間は無料、カード登録も自動課金もありません。

ローカルの文字起こしアプリ

文字起こしと最初の字幕ファイルだけが必要なら、単体のアプリで足りるかもしれません。

MacWhisperは、OpenAIのWhisper音声モデルをMac上で動かし、SRTやWebVTTなどの字幕ファイルを書き出します。すぐに使いこなせて、音声はローカルに残ります。無料版と有料のPro版があるので、どの機能がどちらに含まれるかを確認してください。タイミング調整やQCのためのツールではないので、改行や表示時間は別のツールで整えることになります。

Descriptは、文字起こしを編集することで動画を編集するという考え方で作られていて、キャプションも書き出せます。オンラインアカウントを通して動くので、多くのクリエイターには合いますが、機密性の高い素材では慎重に考える価値があります。ローカルで文字起こしできるDescriptの代替ソフトの比較記事で、トレードオフを詳しく取り上げています。

字幕専用のエディター

無料のオープンソースのエディターは、ほとんどの編集ソフトよりもタイミングとスタイルを細かく調整できます。

  • Aegisubは、ASSで装飾付きの字幕を作るための定番です。音声の波形やスペクトルを表示して正確なタイミングを取れ、映像のキーフレームに吸着させることもできます。元のプロジェクトの開発は停滞気味で、コミュニティが保守するフォークが引き継いでいるので、使っているmacOSのバージョンに対応したビルドを確認してください。
  • Subtitle Editは広く使われている無料のエディターで、多くのフォーマット、波形を使ったタイミング調整、エラーチェック、オプションのWhisper文字起こしを備えています。もともとWindows中心のアプリで、Macでは従来なんらかの回避策が必要だったため、現在のMac対応状況はプロジェクトのサイトで確認してください。

どちらも、誰かが作ったファイルを修正するのにとても便利です。ただし、どちらも放送局の納品仕様を前提に設計されたものではありません。

プロ向けの字幕ツール

放送局や配信サービスから詳細なタイムドテキストの仕様を渡されたときは、プロ向けツールが費用に見合う働きをします。

  • Annotation Editは、プロの納品を想定した有料のMacネイティブの字幕アプリで、放送や配信の仕事に向けたフォーマット変換とチェック機能を備えています。
  • OOONAは、翻訳会社などの言語サービス事業者に広く使われている有料のブラウザベースの字幕プラットフォームです。ブラウザで動くので、ネイティブアプリがなくてもMacで使えます。未公開の作品では、素材や字幕テキストがどのように保存、処理されるかをベンダーに確認してください。

これらのツールが重視するのは仕様への適合です。カット点に対するフレーム単位のタイミング、クライアントごとのスタイルガイドのルール、EBU-STL、SCC、IMSC1を含むTTML系フォーマットなどの書き出しプロファイル。対応フォーマットも価格も変わるので、各社の最新情報を確認してください。映画祭とWebにしか納品しないなら、ここまでは必要ないかもしれません。

納品先に合わせてツールを選ぶ

実際的な決め方は、納品しなければならないファイルから考えることです。

  • 映画祭やWeb向けのSRTまたはWebVTT。 上で挙げたどのツールでも大丈夫です。普段編集している場所にいちばん近いものを選びましょう。
  • 米国の放送向けのSCC。 Final Cut Pro、Premiere Pro、cinemaOS、プロ向けツールで書き出せます。CEA-608のキャプションの枠は窮屈なので、短い行を前提に計画してください。
  • 欧州の放送向けのEBU-STL。 cinemaOSとプロ向けツールで作成でき、Premiere ProもEBU字幕タイプのキャプション書き出しとして対応しているので、お使いのバージョンでオプションを確認してください。バイナリ形式なので、テキストエディターで開くのではなく、検証ツールでファイルをチェックしましょう。
  • 配信プラットフォーム向けのIMSC1。 プロ向け字幕ツールを使うか、使っている編集ソフトの現行バージョンが、プラットフォームの求めるプロファイルを正確に書き出せるかを確認してください。
  • 限られた予算で複数言語。 ローカルでの文字起こしと翻訳で、翻訳者が直すための下書きを用意できます。Macでローカルに字幕を翻訳する方法では、チェックの進め方を説明しています。

小さなチームのための現実的なワークフロー

  1. 字幕の最終タイミングを詰める前に、カットを、少なくともそのリールをロックします。
  2. ローカルで文字起こしをして、まず名前、用語、話者を修正します。
  3. 1行の長さと読む速さの上限は、記憶ではなく納品仕様から設定します。
  4. カット点と波形に合わせてタイミングを取り、QCを実行します。
  5. 翻訳したら、それぞれの言語を流暢に話す人にチェックしてもらいます。
  6. 仕様が指定するフォーマット、フレームレート、文字コードのとおりに書き出し、送る前にすべてのファイルを映像に重ねて再生します。

よくある質問

Macで使える無料の字幕ソフトはありますか?

あります。Aegisubは無料のオープンソースで、DaVinci Resolveの無料版は字幕トラックの編集と書き出しができ、ローカルの文字起こしアプリにも無料プランを持つものがいくつかあります。SRTやWebVTTなら無料ツールで十分です。放送フォーマットでは、たいていより念入りなQCが必要になります。

MacでEBU-STLやSCCのファイルを作れますか?

作れます。Annotation Editのようなプロ向けツールが対応しているほか、書き出せる編集ソフトもあります。cinemaOSは両方、Premiere Proはキャプションの種類によって、Final Cut ProはCEA-608キャプションを通じてSCCに対応しています。フレームレートと文字セットは、必ず受け取り側の仕様で確認してください。

機械翻訳で字幕翻訳者は不要になりますか?

なりません。特にタイミングや構成の面で役立つ下書きにはなりますが、意味、トーン、名前、改行には、その言語を流暢に使える人が必要です。すべての言語でチェックの予算を確保しておきましょう。

納品仕様から始める

仕様を読み、求められているフォーマットと言語を書き出し、締め切りの前に実際のリールで1つのツールを試してください。Apple silicon搭載のMacで、文字起こし、翻訳、QC、書き出しをカットのすぐ隣で行いたいなら、cinemaOSを60日間無料で試せます。カード登録は不要です。